生成AIについて話してみよう
生成AIとは?
生成AIは英語では「Generative AI(ジェネレーティブAI)」と呼ばれ、蓄積・学習されたデータを元に、AI(人工知能)が文章や画像、音声データなどのコンテンツを作成する仕組みのことを指します。また生成AIには、AI自身がそのデータを正しく理解するために必要な「機械学習」という技術が組み込まれています。この機械学習には大きく3 つの学習方法があります。1 つは「教師あり学習」といって、問題と答えを与えて学習させる手法です。2 つ目の「教師なし学習」は、問題のみを与えて、そのデータの本質的な構造を学習させます。そして最後の3 つ目が「強化学習」。これはAI自身が、与えられた問題に対して試行錯誤しながら、最適な答えを導くための学習方法です。これらの方法でAIが学習することで、人間が作るようなさまざまなコンテンツを生成することが可能となっています。
生成AIがなぜ話題になっているのか?
生成AIという言葉が認知されるようになったのは2022年頃といわれていて、入力されたテキストやアップロードされた画像を元に、新たな画像を生成する画像生成AI「Stable Diffusion」や、人間のように対話しながら、質問に答えたり、指示通りの文章などを作成したりしてくれる「ChatGPT」が話題になりました。特にChatGPTの登場によって、企画や脚本、記事、レポート、作詞など、精度の高い文章が、誰でも簡単に作れるようになりました。
生成AI関連ワードをCHECK!
- LLM:Large Language Models
- (大規模言語モデル:大量のテキストデータで学習した言語モデルで、テキストの分類や感情分析、情報抽出、文章要約、テキスト生成などのタスクに適応できます。)
- RPA:Robotic Process Automation
- (ロボティック・プロセス・オートメーション:これまでは人間が行ってきた機械的な作業を、コンピューターに代行させる取り組みです。)
- NLP:Natural Language Processing
- (自然言語処理:人間が日常的に用いる言語をコンピューターで処理する技術です。)
世界各国の生成AI事情を学んでみよう!
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EU-欧州連合-
生成AIを含む包括的な規制案
「AI規則案」を採択EUは、人間の自律性や自由を守るために、生成AIを含む包括的なAIの規制案「AI規則案」を採択しました。これにより、AIが人へ及ぼすリスクのレベルに応じた規制が設けられ、違反すると制裁金が課されることになっています。施行は2024年以降の予定。
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U.S.A.-アメリカ-
安全な開発を目的とした
新たな業界団体が発足AI先進国のアメリカでは、グーグルやマイクロソフト、ChatGPTを開発したオープンAIなど、大手IT4社がAIに関する新団体を設立しました。この団体は、AIの安全な開発や一般の人々への理解の支援、政府や企業への知識の共有などを目的としています。
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JAPAN-日本-
金融機関で相次ぐ導入
生成AIで業務の効率化日本では三井住友銀行や三菱UFJ銀行、みずほ銀行などの大手メガバンクをはじめ、一部の地方銀行で、ChatGPTなどの生成AIを導入する金融機関が増えています。作業の効率化だけでなく、行員のスキルアップやセキュリティの強化などの効果が期待されています。
生成AIに関するフレーズを覚えよう!
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In addition to dialog and text input, there are also AI programs that generate images and music.
(対話や文章の生成だけでなく、画像や音楽を生成するAIなども存在しています。)
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While the evolution and spread of generative AI will be convenient, it also carries the risk of causing political and economic turmoil and adversely affecting people's lives.
(生成AIが進化・普及すれば便利な反面、政治的・経済的な混乱を招いたり、人々の生活へ悪影響を及ぼすリスクもあります。)
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With ChatGPT, you can generate not only simple sentences, but also proposals, lyrics, and novels.
(ChatGPTでは、ただ文章を書くだけでなく、企画書を作ったり、作詞したり、小説を書くこともできます。)
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Recently, there have been more and more cases where art and music created by generative AI have been converted into NFTs and traded.
(最近では生成AIが作成したアートや音楽をNFT化して取引するケースが増えています。)
生成AIについて話してみよう
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先生:
「Do you know the term “generative AI”?」
(皆さんは生成AIという言葉を知っていますか?)
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生徒:
「Yes. I learned it from news stories about ChatGPT.」
(知っています。ChatGPTに関するニュースで知りました。)
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先生:
「So have you ever used ChatGPT?」
(では、ChatGPTを使ったことはありますか?)
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生徒:
「 No, I've never used it.」
(いいえ、使ったことはありません。)
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先生:
「Basically, ChatGPT allows you to interact with AI as if you were talking to a person, and it will write sentences as instructed.」
(ChatGPTを簡単に説明すると、人と会話するようにAIと対話したり、指示した通りの文章を書かせたりすることができます。)
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生徒:
「I see. I want to try it at home as soon as I can.」
(なるほど。早速、家で試してみたくなりました。)
人がモノやアイデアを考えるときは、どうしてもその人の考え方や知識・経験が大きく反映されてしまうため、既存の枠組みにとらわれがちですが、生成AIには人間の常識を超えたモノを創造する可能性があります。
生成AIを使えば、大量かつスピーディーにコンテンツを生成することができます。ただし、そのコンテンツが必ずしも正しい情報に基づくものだとは限りません。だからこそ活用するにしても、最終的には人間が判断や検証を行い、その内容が適切か確認する作業が必要です。