未来のために、学んでおくこと
エコフレンドリーを集めよう♪
「Eco-friendly(エコフレンドリー)」は、環境に優しい、そして環境問題を経済的にも解決していくということです。
今回はそうした活動の一環でもある「Zero waste(ゼロ・ウェイスト)」を取り上げます。
テーマ
【Zero waste(ゼロ・ウェイスト)】
最近よく聞くゼロ・ウェイストとは?
ゼロ・ウェイストとは、無駄やごみをなくして廃棄物を減らし、ごみを出さない社会を目指すという考え方です。地球環境を考える中で、従来の廃棄物をリサイクルする方法だけではなく、そもそも「ごみ」を生み出さないという考え方へ変化しているのです。そのため近年では、食品や生活用品などの容器を回収し再利用するサービスや、商品のパッケージ自体をなくすなどの取り組みが各国で行われています。これらの考え方が誕生した背景には、1996年にオーストラリアの首都・キャンベラで出された世界初の「ゼロ・ウェイスト宣言」があり、各都市に広まっていきました。日本でも2003年に徳島県上勝町が宣言したのを機に、2005年には特定非営利活動法人「ゼロ・ウェイストアカデミー」が設立されるなど、取り組みが広まってきています。
ゼロ・ウェイストへの各国の取り組み
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Scotland(スコットランド)
自然豊かなスコットランドは、毎年7億本近いペットボトルが使用されていて、ポイ捨てが問題になっています。そこで政府は、使い捨てボトルの飲み物を買う際にデポジットを支払う制度「デポジット・リターン・スキーム」を採用し、ペットボトルや瓶、缶の返却(リサイクル)を促しています。
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Kingdom of Spain(スペイン)
スペインのバルセロナではボックンロールという再利用可能な多機能ラップが注目を集めています。とりわけ、学校での環境教育の一環としてランチごみを減らすため、ボックンロールが学生たちに支給され、1 年間で約1400キロものごみの削減に成功しています。
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Kingdom of Bhutan(ブータン)
2030年までに「廃棄物ゼロ社会」を目指しているブータンは、毎月2日に、あらゆる組織や個人が、周辺地域を1 時間清掃する「ゼロ・ウェイスト・アワー」という制度を実施。これにより、市民に環境問題に対する責任を自覚させ、空き地などへの不法投棄をやめさせようと取り組んでいます。
KEYWORDゼロ・ウェイストにまつわるキーワード
ゼロ・ウェイストに関連するさまざまなワードの一部がこちら。テレビやネットニュースを見る際に、こうしたワードが出ていたら注目してみましょう。
- Reduce (リデュース)
- 「減らす」という意味で、廃棄物を削減することを指す。主な例としてレジ袋をエコバッグにしたり、マイボトルを持ち歩いたりすることでプラスチックごみを減らすなどがある。
- Reuse (リユース)
- 一度使用された製品、もしくは製品の一部や部品をそのまま再使用すること。具体的にはシャンプーや洗剤のボトルを中身だけ詰め替えて使うなどが挙げられる。
- Recycle (リサイクル)
- 英語で「再生して利用する」という意味。ごみを出さないというゼロ・ウェイストの基本であり、出てしまったごみを分別して、再び資源として利用することを指す。
- Plastic Free (プラスチックフリー)
- プラスチック製品を使用しないという意味。日本は国民一人当たりのプラスチック容器包装廃棄量が世界2 位といわれているプラスチック依存国。これからはできるだけプラスチックを使わない努力が求められている。
- Circular economy (循環型経済)
- 生産や消費を行う中で3R(リデュース・リユース・リサイクル)を効果的に行い、限りある資源を効率的に利用し、天然資源の消費や廃棄物の発生を抑え、環境を持続していく経済のこと。
手軽に始められるゼロ・ウェイスト
ゼロ・ウェイストへの取り組みは、世界各国で広がっています。普段の生活で意識をちょっと変えるだけでごみを減らすことができます。三つのシチュエーションを参考に、できることから始めてみましょう。
SHOPPING買い物
買い物について話してみよう!
(買い物へ行くときは手提げ袋を持参しましょう。)
必要な物だけ買うことが重要
買い物におけるゼロ・ウェイストは、買い物袋の持参、ポリ袋を使わないことだけでなく、本当に必要な物を必要な量だけ買うことが重要です。例えば食品の場合、賞味期限切れ等による食品ロスの可能性も少なくなりますし、万が一、ポリ袋が必要になっても少量で済みます。また一度に購入する量が減れば、冷蔵庫や冷凍庫が満杯にならず、結果として省エネにもつながります。
Recycleリサイクル
リサイクルについて話してみよう!
(ペットボトルや古紙は分別することで再利用が可能です。)
再生可能な資源は再利用へ
ごみを減らす方法として誰もが手軽に取り組めるのがリサイクルです。ペットボトルや瓶、缶、雑誌や新聞などの古紙はすべて資源ごみとして処理することでリサイクルされ、新しい資源や製品へと生まれ変わります。また自動車や家電などに関しても少しでも使える状態であれば再利用(リユース)、故障していても使えるパーツだけ部品取りするなど活用する道があります。
My Toolsマイ道具
マイ道具について話してみよう!
(私は外で食事をするときはマイ箸を持ち歩いています。)
生活の中にマイ道具を取り入れよう
生活の中で少しでもごみを減らすには長く使える道具を活用することが大事です。例えば食器で考えた場合、外食時にマイ箸を持参したり、バーベキューやキャンプの時はマイ皿を使用すれば、その分ごみを減らすことができます。最近ではマイボトル持参で割引が受けられるカフェなどもあるので、お得に購入できて一石二鳥です。
日本各地に広がる
「ごみゼロ」宣言
日本国内でもゼロ・ウェイスト宣言やそれに共通する目標として、各地でごみを減らす活動やプロジェクトが行われています。改めて自分自身に何ができるかを知るためにも各地の取り組みを参考にしてみましょう。
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レジ袋の提供禁止
京都の亀岡市は観光資源である保津川の美しさを守ることなどを背景に「プラごみゼロ」を宣言。コンビニやスーパーのプラスチック製レジ袋を有料・無料を問わず禁止にするなどの取り組みが行われている。
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マイボトルやマイ容器を活用
海洋プラごみの解決に取り組む大阪府も「プラごみゼロ」を宣言。「Osakaほかさん*マップ」では、マイボトルやマイ容器持参で食品や飲料、日用品を購入できるお店が紹介されている。
*ほかさん=大阪弁で「捨てない」という意味 -
日本初の宣言地域
2003年に日本で初めてゼロ・ウェイスト宣言をした徳島県上勝町では、町のリサイクル率80%を達成。2020年にはゼロ・ウェイストが学べる施設も作られ、取り組み内容を世界に発信している。