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2019.01.28

世界に挑戦し続けるアスリート
「プロ車椅子ランナー 廣道 純」

プロ車椅子ランナーとして活躍する、廣道純(ひろみちじゅん)さん。2000年のシドニーパラリンピックでは800mで銀メダルを獲得、2004年のアテネパラリンピック800mでも銀メダルを獲得しています。現在400m、800m、5000mの日本記録を保持しており、車椅子ランナーの第一人者として、日本だけでなく世界で挑戦し続ける彼にインタビューしました。

廣道さんは高校1年生の時にバイク事故に遭い、脊髄損傷で下半身麻痺の大怪我を負います。事故から初めて目覚めた時に「ああ、(自分は)生きているんや」という感情を抱いた彼。淡々としながらも、前に進むしかないという決意がありました。その後、リハビリの先生の勧めもあり、車椅子陸上の世界へ足を踏み入れることになります。

英語との出会いは、やはり競技場で。世界一を目標に練習に励む中で出会ったのは世界記録保持者のアメリカ人選手。「プリーズ ティーチ ミー」というカタカナ英語を駆使して名刺を手にいれた廣道さんにその選手は「“in English”(英語で)電話をかけてこい」と声を掛けました。頼もしい言葉に触発された廣道さんは次の日から英会話教室へ。それまで英語の勉強をしてこなかったと振り返る彼。最初は赤ん坊のようにとにかく講師の言葉を真似し続けました。勉強を重ねて、世界チャンピョンに話してみたいことを英語で語れるようになってきた頃、1本の電話をかけます。電話口の世界チャンピョンは英語を勉強して成長した廣道さんの姿を喜んでくれました。その電話がきっかけで世界チャンピョンに弟子入りして毎日の練習を共にするように…。弟子入り1年後には世界最大規模の大会である、大分国際車椅子マラソンで初の日本一に輝きます。

廣道さんの語る「バイク事故の時に死んでしまっていたら、努力する経験なくこの世から去ることになっていた、これからも努力することを大切に、ずっと成長し続けたい」という言葉には、一切の揺らぎがありません。英語も競技も信念のもとに妥協なく挑戦し続ける彼のこれからの勇姿に期待が高まります。