英語力を身につける必要性を感じているものの、英語に対する苦手意識があり学習が続かず困っている人は多いのではないでしょうか。英語嫌いの状態ではモチベーションが下がりやすく、理想とする学習効果が得られない傾向です。

この記事では、英語に苦手意識を持つ理由や、英語嫌いを克服するための正しい勉強法について解説します。ビジネスに必要な英語力を身につけたい社会人や、テストの点数を高めたい学生はぜひ参考にしてください。

英語に苦手意識を持つきっかけは、人によってさまざまです。しかし、多くの日本人に共通する要因として、学生時代の経験が挙げられます。学生時代に英語嫌いになると、社会人になっても英語学習に抵抗を感じやすくなる傾向です。

ここでは、英語に対して苦手意識を持ちやすい理由を2つ紹介します。

英語に苦手意識を持つ1つ目の理由は、受験英語で和訳や文法のミスが許されないことです。

学校の定期試験や入学試験では、学生の答案を平等に評価するために厳密な採点基準が設けられています。たとえば、英文和訳の問題では、文章の大まかな意味がつかめていたとしても、単語の抜け漏れがあると減点されます。

また、受験英語で高得点を取るためには、英文法の勉強やミスなく英作文をする練習も必要です。たとえば、英作文の問題でも完璧な文法が求められ、「a」や「the」などが1つでも抜けていると減点対象となることが多い傾向にあります。

細かなミスが許されない科目というイメージが、英語に対する苦手意識を助長していると考えられます。

英語に苦手意識を持つ2つ目の理由は、学生時代の授業で英語を話す機会が少ないことです。

文部科学省が行った調査によると、高校3年生の英語力は「話す力」「書く力」が低い傾向にあります。高校生3年生におけるCEFR（ヨーロッパ言語共通参照枠）A2レベル以上の割合は、聞くことが33.6％、読むことが33.5％に対し、書くことは19.7％、話すことは12.9％です。

出典：文部科学省「平成29年度英語教育改善のための英語力調査」

また、79.0%の中学校で行われていた英語による言語活動が、高校になると54.1%に下がっており、英語に触れる機会が減少していることが分かります。

出典：文部科学省「令和元年度「英語教育実施状況調査」」

実際に、学生時代の授業では、人前に出て英語で話したり書いたりする機会が不足しやすい傾向です。アウトプットする機会が少ないことは、英語を使ったコミュニケーションに苦手意識を持つ原因となります。

英語の勉強方法を工夫すると、英語嫌いを克服できる可能性があります。英語学習に使用する教材を変えたり、音声やイメージを活用したりすると、英語に対する苦手意識を緩和できるでしょう。

ここでは、英語嫌いを克服するために効果的な勉強方法を4つ紹介します。

教科書や問題集は、英語学習に必要な内容が体系的にまとまっているものの、英語嫌いな人にとっては苦手意識を助長してしまうケースもあります。一方、映画や洋楽などを使うと、無理なく親しむことが可能です。

たとえば、好きな映画や海外ドラマを日本語字幕なしで視聴すると、リスニング力が強化されます。また、日常会話でよく使うフレーズや単語などを知らず知らずのうちに覚えることができるでしょう。

音楽が好きな場合は、洋楽の歌詞を読んだり、歌って発音の練習をしたりすると効果的です。好きな海外アーティストのSNSを英語でチェックすることや、インタビュー動画を視聴することによっても英語に触れられます。

「勉強しなければ」という堅苦しい考えを一旦脇に置き、自分が興味を持てる分野で積極的に英語に触れましょう。

英語力を高めるためには、単語の意味や読み方を覚えることが大切です。しかし、単に単語帳などの教材を眺めているだけでは、なかなか覚えられない場合があります。特に、英語に苦手意識がある人にとって、単語の暗記は苦痛を感じやすい学習項目です。

単語は、音声やイメージを活用すると、覚えやすくなります。さらに、英単語を音読したり、単語が表す意味をイメージしたりすると、効率よく記憶に定着させられるでしょう。

また、実際にその単語を自分が使う場面を具体的に想像し、文章の中で使う練習をすると記憶に残りやすくなります。単語の利用シーンが思い浮かばない場合は、インターネットで該当の単語と「例文」「使い方」などで検索することがおすすめです。例文や音源つきの教材もあるため、学習に取り入れるとよいでしょう。

英語の文章は、5文型と呼ばれるパターンに分類できます。一見複雑そうな長文や、聞き取りが難しいネイティブの発語なども、5文型のいずれかに絞り込むことが可能です。そのため、基本となる5つのパターンを覚えるだけで、ある程度のコミュニケーションが取れます。

英語嫌いの人は、「文型」という用語に苦手意識を持ちやすい傾向です。しかし、文型とは英語の語順を表す基礎的な項目であるため、身構える必要はありません。参考書と英文を見比べ、英文がどの文型に当てはまるか考えることで、少しずつ規則が身につくでしょう。

たとえば、最も基本的な第1文型に登場する単語は主語と動詞の2つだけです。「I know.（私は知っています）」や「I agree.（私は賛成します）」などが第1文型の例として挙げられます。主語を「私」以外に置き換えたり、動詞を変化させたりするとさまざまな内容を表現できます。

英語を話せる人は、幼少期から英語を使う環境で育ったネイティブスピーカーだけではありません。英語を外国語、または公用語、第2言語として学習し、母語以外の言語として英語を話す「ノンネイティブの英語話者」も多く存在します。

英語に苦手意識を持つ人は、ノンネイティブの英語話者と英会話をすることがおすすめです。相手もこれまでに英語を勉強した経験があるため、英語に苦手意識を持つ人が躓くポイントを理解してもらいやすいでしょう。さらに、英語が話せる日本人には、分からないことや細かなニュアンスなどを日本語で質問できるというメリットがあります。

ネイティブの相手を前にすると緊張して話せなくなってしまう場合は、ノンネイティブの英語話者を見つけて英会話の練習をしましょう。

英語嫌いを克服するためには、正しい学習方法に取り組むことに加え、以下に紹介する3つのポイントが重要です。

・小さくても成功体験を積み重ねる

・楽しいと思える方法で英語学習を続ける

・独学だけでなく英会話教室も利用する

英語に苦手意識を持つ主な理由は、受験英語で細かなミスが許されなかったことや、授業で英語を話す機会が少なかったことだと言われています。

英語に対する苦手意識は、勉強方法の工夫で克服できる可能性があります。映画や洋楽など参考書以外で英語に触れるほか、バイリンガルの人と英会話をするなどの方法は、英語に親しみを持つ勉強法として効果的です。

また、成功体験の積み上げや、英会話教室を活用するという方法もあります。自分に合ったレベルの英語学習をしながら、英語嫌いを克服したい方は、ぜひECCをご利用ください。